消化器外科医のキャリア形成
外科専門医取得後の一般的なロードマップ
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外科専門医取得後、消化器・一般外科に進んだ場合は、卒後7~8年目で、日本消化器外科学会の「消化器外科専門医」の取得を目指すことになります。
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消化器・一般外科は上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科の3部門で構成されており、各診療科をローテーションします。
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卒後10年目前後にChief resident (CR)となって高度な専門性を決定することが多いですが、個々の状況や希望するキャリアに応じて柔軟に対応しています。
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日本消化器外科専門医を取得後は、さらに高度な専門性を目指すことも可能です。


消化器外科領域における高次専門医資格
●内視鏡外科技術認定医
●食道外科専門医
●肝胆膵高度技能専門医
●大腸肛門病専門医
など
これらは、豊富な執刀経験に加えて術者自身による手術ビデオ審査を通過することが必要であり、実際の手術手技そのものが評価される極めて実践的な資格です。例えば、内視鏡外科技術認定医の合格率は約30%と高難度であり、肝胆膵外科高度技能専門医は全国で約587名(2023年時)に留まるなど、狭き門となっています。
各専門医審査の際に必要な論文は、上級医の指導で容易に作成可能です。当教室には、各分野の専門医・指導医に加え、内視鏡外科技術認定医、食道外科専門医、肝胆膵外科高度技能専門医など、高度な資格を有する医師が多数在籍しており、日常的に各領域のスペシャリストから直接指導を受けることができます。


学位取得(大学院進学)
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学位は論文学位と大学院進学のいずれも可能ですが、多くは大学院進学を選択します。臨床系教室の中では大学院生の数は最も多く、現医局員の約40%が大学院で学位を取得しています。
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入局すればどのタイミングでも大学院進学は可能です。多くは外科専攻研修終了後かチーフレジデント終了後に進学する場合が多いです。
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原則、社会人大学院として入学するので、その間の収入が減ることなく、健康保険と共済年金も受けられます。
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在学期間4年間のうち、2年臨床、2年研究となります。
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研究内容は、希望に沿った研究テーマを選べ、希望がなくとも適したテーマを提供します。
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学内留学(臨床検査医学、病理学、等)や国内留学(現在は国立がん研究センター研究所がん分子就職制御学分野。過去には東京女子医大統合医学研究所、東京大学医科学研究所ヒトゲノムセンター、東京理科大学生命科学研究所)も可能です。
海外留学
留学支援にも力を入れています。アメリカのエバンストン病院での研究留学を10年以上にわたり継続しています。留学に興味がある方、ご相談ください!